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■ 「神に向かう」 / 創世記32章1~29

  • 旧約聖書 創世記
  • 2004年8月8日
  • 読了時間: 3分

人間の画策 今、ヤコブは20年振りに帰る懐かしい故郷を思っていました。本来ならそれは楽しい旅の筈でした。家を出る時は何も持たず、一人淋しく出立したのですから。しかし今は多くのしもべ、家畜、妻と子供、非常に裕福になって故郷へ錦を飾って帰る道でした。しかし、故郷が近づくに連れ、ヤコブの心は恐れと不安でいっぱいです。そのわけは20年前にさかのぼります。 彼は次男でしたが、長男の権利と祝福が欲しくて、母のリベカのさしがねで父のイサクをだまし、まんまと手に入れたのです。それを知った兄のエサウは怒り狂い、弟を殺そうとしました。今の日本では驚くほどのことではないでしょう。でも、そんなふうに思えてしまうこと自体、異常な世の中であり、荒れた人間関係であり、感情の麻痺を覚えます。ヤコブは兄への恐れから、様々な方法を画策します。兄への贈りものをたくさん用意すると共に、兄に対しへりくだった今の自分を見て欲しい、と考えました。しかし、どんな方法をもってしても、自分に平安がやって来ないのです。その要因は、やはり20年前の昔が昨日のように思えてしまい、騙された怒り、兄の気持が痛いほど感じるからです。過ぎてしまった過去、犯してしまった過ちに完全に復帰する、修正の道はないのです。私たち人間は過去の自分の生き方が積り積もって、自分の心に沈殿しています。それらはふとした時、思わぬ形で現れたりして、今日の自分の考えに影響を与えるものです。もし、自分の過去のすべてが清算できるなら、人間はまったく新しいスタートが出来るのです。でも、それはキリストに関わってもらわねばならないのです。十字架の前に出るなら、人は新しいスタートが出来るのです。そして、その他に道はありません。

神の前に ヤコブの目の前に大きな川が流れています。家族も家畜もすべて渡りましたが、彼はどうしても渡れませんでした。川を渡ったあちらには、兄との対面が控えています。彼は兄と会う前に、会わねばならない方がいました。そのことをヤコブは今、初めて認めました。彼の方から、このことは神によって決着をつけてもらわねばならないと、決心したのです。そして、川の手前で彼は神との激しい戦いをしました。過去の自分を捨て新しい出発をするために、全身全霊を傾けて、自我を神に向かわせて、戦ったのです。そして、彼は体に痛みをこうむるほどに、強い自我を神によって、克服されたのです。そのことを聖書は「神の使いは彼を祝福した」と語ります。自我が砕かれねば、人は神によって新しい自分に出会えません。キリストの十字架があなたの人生、あなたの全存在を背負ったことを認めるとは、そういうことなのです。 すべての人は神に背を向けて生きてきました。その清算をしなければ、どんなに裕福で健康で、人間関係に恵まれても、本当の平安はやって来ないのです。ということは、どれほどの困難の人生であろうと、神との関係を修復した人は本当の平安にある、ということです。 アーメン!

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