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■ 一生懸命の次 / マタイ15:21~28 (2005-07-10)

July 10, 2005

一生懸命は尊い。この言葉は多くの人から好感を持たれるし、憧れもある。しかし、こと信仰においては苦しい部分がある。確かに一生懸命は必要だが、これだけだと危険が伴うし、ややもすると道を踏み外すきっかけにもなる。出来れば、一生懸命から力がスッと抜けた位いが良いかも知れない。なにしろ、信仰生活は人生を通して取り組むものだからである。
 

カナン人の女性が娘のことでイエスに癒しを申し出た。カナンへの旅の途中、それも男達だけのイエスと弟子集団に対して、彼女は大声で叫びながら、追いかけてくる。弟子の誰かがイエスに進言した。「先生、あの女を何とかしてやれませんか?うるさくて仕方ないですよ。さもなくば、追い返してください。」
 

イエスは女性にではなく、弟子に向かって言われた。「私はイスラエルの滅びた羊のために遣わされたのだ。」イエスは弟子達に向かって、ご自身の使命と立場をこのように簡潔に語られた。救い主は確かにそのために来られた。
すると後方で叫んでいた女は集団の先頭に走り出ると、やにわにイエスの前にひれ伏してこう叫んだ。
 「お願いです、主よ!私を助けてください!」
 彼女にとって、娘が元気になることだけが、助かる道であった。そして、彼女の言葉が私の中で引っかかる。彼女は、娘を直して欲しいのだが、その叫びは「私を憐れんでください。私を助けてください。」である。私達はどうだろう。「母を助けてください。夫を、妻を助けてください。息子を、娘を憐れんでください。」であって、私を憐れんでください、ではない。ここに彼女の強い愛をみる。彼女の一生懸命をみる。
 

ひれ伏して願う彼女にイエスは突き放すように言われた。「子供たち(イスラエル)のパンを取り上げて、子犬(異邦人)にやることはよくない。」
 大体の人間がこの場面で引き下がる。願いはことごとく退けられ、無下に却下された。そればかりか、犬呼ばわりされた。これ以上、何を願う余地があろうか。きっと私など、憎まれ口の一つも叩いて、帰ってくるだろう。だが、彼女は違った。「主よ、そのとおりです。(私は異邦人です。確かに子犬でしょう。)でも、子犬だって主人の食卓から落ちたパンくずはいただけるではありませんか!」
これを聞かれたイエスは思わず目を輝かせて、口元はほころんだ、とさえ私は思ってしまう。
 主は言われた。「婦人よ、あなたの信仰はりっぱなものだ。あなたの願いどおりになるように。」
マタイは記す。彼女の娘はその瞬間癒された。
 

彼女は一生懸命だった。だが、それだけではない。彼女はひたむきであった。そしてどこまでもへりくだっていた。この二点である。単なる一生懸命は自分が真ん中であり、先頭である。しかし、彼女にとって、あくまでイエスが中心であった。ここに、一生懸命の次、がある。何とも心憎いものを感じる。これが芝居なら、さしずめ大向こうを唸らせるだろう。俗な言い方だが、味な信仰、粋な信仰・・とまで言いたい。だからイエスさまをして「見上げたものだ」と言わしめなさったのであろう。
 

昔、ユダヤの国から大勢の工芸、職人、知識人、若者がバビロンという帝国の捕囚となって連れて行かれた。彼らは故郷に帰れる日を夢見ながら、遠くかの地で暮らした。その中に知恵ある若者が数人、王に召抱えられ、要職にあった。だが、偶像礼拝の国。ましてや、人間を神とする国である。ネブカデネザル王はある日、国中に勅令を発布した。彼が作らせた黄金の像。それも2メートル60センチにも及ぶ巨大な王の似姿そのものであったが、鳴り渡る楽器を聞いたなら、すぐさまこの像に向かってひれ伏さねばならない、というものであった。もし、そうでなければ、燃える高熱の炉に投げ込まれるという恐ろしい勅令であった。だが、ユダヤ人の青年たちは殺される道を選んだ。創造主以外のもの、しかも人間の手で作った像に頭を下げることは断じて彼らの良心と信仰が許さなかった。

 

 「たといそうでなくとも・・」である。ひたすら祈り求める、夫のために妻のために、子のために。そして自分の窮地からの救いのために。だが、たとい願うところがかなわずとも、『私の神に対する私の思いは変わることがありません。』なのだ。
ここにも一生懸命の次、があった。かたちは違えど、あのカナン人の母の心と重なるものがあった。
 

 

 

 

 

 

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