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■ 最悪の中に最善が隠されている / ルツ記1:1~2:3 (2009-05-10)

May 10, 2009

当然であるが、すべての人には母がいる。
 父の存在も当然であるが、母の存在は別な意味合いがある。それは自分が母の胎内で組み立てられ、生まれて来たからであろう。
 母は、遠くて大きくて温かい故郷の様なイメージがある。母が亡くなってから何年も経つと、その思いが強くなるのも不思議だ。


18年前、私の母が亡くなったとき、星野富広さんの書かれた言葉が忘れられない。
 「おふくろ、と呼ぶと、どこかに飛んで行ってしまいそう・・」
 母を失ってぽっかりと穴のあいた心には、この言葉が妙に迫って胸が締め付けられた。
 

 自慢話はすべきではない。しかし、母だけは許される、と思った。
 他人には言えないし、言うべきでもない自慢話も、母は喜んで聞いてくれた。
 「ウン、すごいなぁ、すごいなぁ・・・」とニコニコして、羨ましげに聞いてくれた。
 母がいなくなって、このことを知った。人は親だけには自慢話が許されるんだな・・と。
 

 信仰の母を持った子供にとっての祝福は、他のどんなことよりも尊いものがある。
 母の信仰は雑草の様に根強く、ツタの様に離れない。
 自分のことはさておいても、子供のためには決して諦めない。
 今どれほど可能性が見えなくても、子供がキリストに帰って来る、来て欲しいと、願い続ける。
 母の日に歌う賛美歌の言葉が胸に沁みる。
   「汝がために祈る母の いつまで世にあらん
   とわに悔ゆる日のこぬ間に とく神に帰れ
  春は軒の雨 秋は庭の露
    母は涙 乾く間なく 祈ると知らずや」
 

 

 聖書に登場する母はさほど多くはないと思う。
その母達も人間的に見れば、本当に幸せな人生を送った人は少ない。神さまから多くの困難を背負わされた様に思う。
エバは実に厳しい人生が待っていた。楽園からスタートした生活は間もなく一変し、やがて兄息子が弟を殺した。尊属殺人は聖書の冒頭で既に起こった。
 

エジプトの娘、ハガルは奴隷の身であり、へブル人アブラハムに買われた。彼女は主人の子を身籠る。女主人の言いつけに従っただけであったが、やがて女主人の怒りをかい、荒野に追いやられる。一度は戻り出産するも再び、息子共々水も無い荒野で死ぬ様な思いをした。
 

 極めつけはイエスの母、マリヤ。
 創造主の一方的な選びにおいて、聖霊によって身籠った。33歳の息子は、十字架にかけられ極悪人の刑を受けた。苦しみの息の中で、隣にいたヨハネという青年を見やりながら、息子は彼女に向かって叫ぶ。
 「女の方、そこにあなたの息子がいます・・」
 

ナオミ、彼女も辛く悲しい体験をした。故郷を離れた地で、夫と息子二人を失った。
 残されたのは異邦人の嫁、ルツ。
ナオミには孫もおらず、当然血も通わず、縁もなかったが、ルツは実の娘以上の存在であった。
 故郷のベツレヘムは刈り入れの喜びに沸いていた。
 《この土地の飢饉を逃れ、夫と二人の息子と共に向かったモアブで待っていたのは私だけが生き残る結果だったのか・・》近所の知られた顔の人々のナオミへの言葉は、死ぬほど辛かったであろう。
 「私をナオミ(快い人)ではなく、マラ(苦しみの人)と呼んでください」
 

だが、ただ一つのこと。ナオミの心と人生にはいつも全能者(神)がいた。
ナオミは最悪の人生を強いられても、神を全能者と位置づけた。
ここにナオミの信仰を見る。
 全能者であるからこそ、取り去ることもあり、また与えられる。
 過去にあったものは帰らずとも、未来には予想しなかったものを下さる。
 

 全能者は嫁のルツに素晴らしい夫を与えられた。
 生まれた赤子は「オベデ」と呼ばれ、ナオミがその子を抱く姿は、まるで母と子に見えた。
それから100年以上経って、ナオミの玄孫(やしゃご)はイスラエルの王となった。
 

 人はどれだけ長く楽しく裕福に生きたかではなく、全能者にどう向き合ったかである。
 辛い人生に見えても、全能者の前に置かれたなら、人はこの世の価値観を超えた世界に生きることとなる。
 全能者は絶対者である。その方にどう向き合うかが問われるのも、クリスチャンの生き様でもあると思う。
 

 

 

 

 

 

 

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