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■ イの一番 / ルカ10:38~42

「イの一番」、つまりイロハ47文字(ンを入れれば48文字)の真っ先は常にイであるということ。 生き物として存在するためのイは命である。 では人間としてのイは? 人生のイは? 食べること、であるとするなら働くことか? 健康の維持はイならば、モラルはロかハ?一体どこへ入るだろう。 確かに、どれも大事なものである。 創造主が下さった 十戒は神のためではなく、人間のためだったと思う。 人が人らしく生きるための十か条である。 唯一、まことの神に出会ったクリスチャンにとって大切なことは、人間性の向上か? 果たしてモラルなのか、資質か品性か? 確かに何れも大切なものであるが、聖書はそれをイの一番に求めていない。 生ける神が人に求めていることは、知恵を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、神を愛せよ、である。 それと同様に「汝のとなりびとを愛しなさい。」である。 人は其処においてこそ、、必要なすべてを学ぶからだ。 内村鑑三先生が第一にされたこと。 それはイエス(JESUS)をすべてのすべてにおいて第一にせよ、であった。 先生の人生、クリスチャンとしての到達点、ゴールはその一点に限る。 如何なる場面でも、どんな局面においても、イエスは絶対に二番にならない。 内村師の生き方において非情とさえ思われる点が、そこかしこに存在する。 その厳しさの出所は、JESUSを一番に置いて決して譲らない生き様であり、信仰であるからだと思った。 私達の日々の中、どう価値観を持って生きているかは、イエスという方を人生の何処に置いているかで如実に現れていると思う。 イエスを、それなりの見方(一般常識部分)でいるなら、それなりの人生であろう。 拠りイエスのみ傍に自分を置くなら、生き方は自ずと変わって行くだろう。 それを端に窮屈と考えれば元に戻るしかないし、イエスとの距離も自然と遠のく。 窮屈と考えるか、居心地良しとなるかは、その人の求めるところが異なるからだ。 ベタニヤ村の三兄妹、ラザロ、マルタ、マリヤはイエスが親しまれた家族であった。 とりわけマリヤは、イエスの語られることばを一つとして聞き逃すまいと懸命な女性だった。 姉のマルタは客をもてなすことに生き甲斐を感じる女性だった。 ある日のこと、マリヤはイエスの前に座って動かず、話に聞き入っていた。 マルタは料理の支度に忙しく、マリヤを横目で見ながらイラついた。 彼女はイエスに向かって言った。 「先生、私がこれほど忙しくしているのに、マリヤを何とも思われないのですか? 何とか言ってやって下さいまし。」 イエスは言われた。 「マルタ、あなたは色々なことに気を遣っています。本当に大切なことは僅かです。 いいえ、一つだけです。」 この話はルカ伝の記事である。 医者ルカの目と耳と心が捉えた瞬間と言える景色であった。 マルタを見るヨハネ伝は、彼女の生き方の結果をそのままに伝えている。 ラザロが死んで四日目、イエスは敢えて日を遅らせてベタニヤ村に来られた。 「先生、もしあなたが此処におられたなら、私の兄妹は死ななかったでしょうに。」 マルタの正直な言葉であった。 彼女に向かって言われた主のことば。 「マルタ、わたしはよみがえりです。いのちです。わたしを信じる者は死んでも生きるのです。また、生きていてわたしを信じる者は、死んでも生きるのです。 マルタ、それを信じるか?」 マルタは答えた。 「はい、主よ。私はあなたが世に来られるキリストであると信じています。」 二人の会話は成り立っていない。 完全にすれ違いである。 それはイエスの言葉と思いが、マルタの心に届かないのである。 私達と主イエスの関係とて、まったく同様である。 聖書を読んでいる、知っていることと、聖書が伝えたいとすることを解することは大いに違う。 ヨハネ伝は、陰の部分をあからさまに書いていないが、彼が本当に言いたいことは伝えている。 ラザロの墓の前でイエスがマルタにいわれた。「その石を除けなさい。」 マルタは答えた。 「主よ、もう四日目になります。臭くなっておりますでしょう。」 「マルタよ、もしあなたが信じるなら、あなたは神の栄光を見る、と言ったではないか。」 そして主は大声で墓の中に向かって叫ばれた。 「ラザロよ、いで来たれーっ!」 死人は包帯でグルグル巻きにされたまま、墓から出て来た。 マルタだけではない。 私達の中に死んだラザロが居る。 出たくとも出られない四日目のラザロが居る。 蓋石が邪魔をしているからか、出たくないのかは分からない。 兄弟姉妹、あなたの中にあなたというラザロがいないだろうか。 マルタの様な耳と心はないだろうか。 それを呼び覚ますのは、イエスの声と存在だけである。

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