■ 信じ切る/マタイ10章34~38

マタイの福音書10章から厳しい言葉が矢継ぎ早に飛んでくる。 イエスのことば、 「わたしが来たのは平和をもたらすためでなく、剣をもたらすためである。 そのとき、家族は互いに逆らい、救い主を信じた者にとって敵となるだろう。 何より、わたしよりも両親、兄弟姉妹、子供たちを愛する者はわたしに相応しいものではない。」 およそ私たちがイメージして来たキリスト教ではないと錯覚したくなる程である。 だが、私たちがイエスに対して抱く愛は、私たちの中で凡そ中立的か、それ以下かもしれない。 しかし主は、あなたがあなたの家族よりも誰よりも、主を愛すことを求めておられる。 文字通り、剣なるお方である。 そして家族愛とは、やはり理由に基づく愛でしかない。 自己愛の域を出ていない。 つまりアガペーの域に遠く達していないのである。 昔、私は主を愛することと家族を愛する愛は同じ天秤にかけられないと考えた。 ナンセンスとさえ思えた。 だが、やはり主は私に再三再四問うておられる。 「あなたはわたしを愛するのか?それとも家族を優先するのか?」である。 主に従う道で、最も難しい選択場面がここにある。 それはキリスト者の信仰生活における岐路ともなる。 だが、誰よりも家族を愛することは人間であるなら当然であることを、イエスがご存じである。 その証拠に、主は十字架の上、苦しい息の中から、ヨハネを見やり「そこにあなたの母がいる」と言われ、マリヤに向かって「そこにあなたの息子がいる」と言われた。 死して去りゆく自分にとって心残りはマリヤのことだった。 そして、どうしても割り切れない

■ 個は体のために、体は個のために

コリントという町は偶像の中に造られた町と思えるほど、様々な神々に満ち溢れていた。 ギリシャは神々を生み出し、大和の国は何でもかんでも神として祭り上げた。 日本人は「恐れる対象を畏れる対象にする公式」においては名人である。 コリントの市場で売られる肉はたとえ一部であれ、大きな塊であれ、偶像に捧げられた肉が混入していたか、捧げられた肉と思われていた。 当然、コリントの教会に集う人々の知識と信仰の深さの度合いは様々だった。 ここに於いては現代とて同様である。 信仰生活を何十年も続けて来た人もいれば、昨日クリスチャンになった人もいる。 コリント教会においては、食肉に対してどう向き合うかといった問題でさえ、心と良心は躓きの原因になっていた。 つまり肉を食べる際、これは偶像に捧げられた肉であると思う人、疑う人、まさか違うだろうなどあった。 また偶像など、そもそも無意味であるから、たとえこの肉がどんな経路を通ってきたとしても問題無しとして食す人もいた。 パウロは食肉の問題を見逃さなかった。 彼は培った知識において取り仕切ることをせず、アガペーに従うことを選んだ。 なぜなら知識は人を高ぶらせるが、愛(アガペー)は人の徳を高めると考えたからである。 徳とは端的に言うなら、自己中心の反対と思えばよい。 周囲の為に、他者を慈しむために、痛みを分かち合うために、他の人を感化する人格形成である。 パウロの言う徳は、個人の益ではなく、教会にとって益となり、教会を建てあげる力となるのがアガペーである、と位置づけたのである。 現代において同様の問題がある。 経験と知識

■ 宴の肴

ローマの総督ピラトほどに有名ではないが、ヘロデという名は知る人ぞ知る存在である。 ヘロデ・アンテパスが今回の主人公であるが、人間性は父ヘロデ大王から引き継いだ。 権力に関しては政争の風向きを見逃さず、弱者を虐げ強者にへつらい、保身のためなら例え兄弟であれ踏みにじった男である。 バプテスマのヨハネは仮に相手が王であれ、権力の最高位であれ、歯に衣着せぬ言葉で罪を指摘した。 ヘロデが彼の弟の妻「ヘロデヤ」を横取りしたことに対しても、ヨハネは「王よ、あなたのしていることは律法に適わぬことです。」と直言した。 この件で怒ったのはヘロデ以上に彼の妻ヘロデヤだったことも考えられる。 そのためヨハネは捕えられ、牢につながれた。 だが、ヘロデはヨハネの話に興味を示していた。 ある意味、自分のことを何と言われようと、真直ぐに罪を指摘しつつ、悔い改めを説くヨハネには好感さえ覚える節もあったと思われる。 ヨハネの命など彼の手中にあり、その気になれば王の一声で殺せた。 ヘロデの誕生日、重臣、千人隊長、おもだった人々が招かれ、盛大な宴が持たれたとき、ヘロデヤの娘、サロメが宴の肴に踊りを披露した。 宴席の人々は大喜びであった。 当然ヘロデとて大満足であった。 王はサロメに言った。「良い舞を見せてくれて嬉しいぞ。さあ、そちに何を取らせようかな。何なりと申してみよ、欲しくばこの国の半分さえも与えようか。」 宴席の人々も、さぞかし喝采を送ったであろう。 サロメは母のところに走り寄って、「母上、私は何を所望したらよろしいでしょうか。」と聞いた。 ヘロデヤは口元に笑みを浮かべ、娘

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