■謝罪と和解/創世記32:31~33:16

昔、「荒野の泉」(Streams in the Desert)というデボーションBook出会ったヒントがずっと心に残っている。

実に名著であった。

『神は勝者の神ではなく、敗者の神である』という言葉。

確かに人間は勝者で有り続けたい生き物だ。

しかし、人生で最も大きな価値を知るのは、敗者となった瞬間だと思う。

人は負けを知る時、そこから成長の道を辿る。

勝ち続ける者は、いつの日か立ち上がれない程のダメージを食らう。

ヤコブはメソポタミアの広大な大地で牧畜を営みつつ、莫大な財産を手にした。

そして20年ぶりに父、母、兄の待つ故郷へ向かう。

彼は勝利者として、この旅をスタートした。

20年前、彼は敗者として逃亡の旅路あった。

それでも、彼の神は「わたしは決してあなたを見捨てず、必ずやこの地にあなたを戻す。」といわれた。

しかし今、兄と顔を会わせる日が迫る程に、ヤコブは20年前の罪の呵責が心に漣の如く幾度も寄せて来る。

兄に対する良心の痛み、犯した罪をどう洗い流せるのか、今も自分を赦してないのでは。

どう見方を変えても前向きな思いが浮かばない。

ヤボクと言う川の渡し場、妻も子供達も、僕も家畜も川の向こうに渡ったのに、遂にひとり居残った。

その晩、彼は「あるひと」と戦った。

組んではほぐれ、そして幾度も取っ組みあった。

ヤコブはやはり強かった。

勝者で有り続ける名人だった。

「そのひと」はヤコブの腿のつがいをはずした。

それでもヤコブは彼を離さなかった。

朝陽が昇ったとき、ヤコブは足を引き摺っていた。

昨夜の戦いの代償は痛烈なものだった。

だが、彼の内は昨晩以前とはあきらかに違っていた。

太陽が頭の上に差し掛かったとき、はるか遠くにエサウの姿が目視できた。

確かに大勢の僕たちが彼と共にやって来ている。

400人という多勢が何を意味するのか・・だがヤコブの心に恐れはなかった。

兄が目の前に近づくまで、ヤコブは7度も地にひれ伏し、両手をついてひれ伏した。

為すべきことは唯一つ、エサウに謝罪の態度を示すのみ。

この思いを結果的にエサウがどう判断するか、すべては神に委ねきっていた。

エサウが目の前に迫った時、走り寄ったのはエサウであった。

エサウは自分に罪を犯した弟を抱きしめ、頬に口づけしたとき、兄も弟も声をあげて抱き合って泣いた。

ヤコブの口から謝罪の言葉は出ていない。

兄の口からも言葉は発せられていない。

果たして人間とは、そういう和解が出来得るのだろうか?

きちんと言葉を選び積んで広げること以外に和解は為し得るのだろうか。

17年ほど前、韓国オンヌリ教会牧師のハ・ヨンジョ師は大勢の教会員と人々を日本に連れて来られ、大集会を日本の各地で開催した。

ハ師の主意は、日本国民との和解と福音伝道であった。

彼のメッセイジは今も私の耳に残っている。

『韓国民は日本国民と和解する必要がある。

怒りと憎しみを乗り越えて、平和な未来を見つめよう。

その手始めに、韓国民は日本国民を赦すべきである。

私はそのことで日々主イエスに祈ってきた。

主よ、我々は何をすべきだろうか、と。

そしてイエスは私に語られた。「日本人を受け入れなさい。」

更に主は言われた「悪いのは日本人を赦さないあなた方、つまり韓国人である。

それをするなら、必ず両国民にキリストの平和が来る。」

私はあの日、埼玉アリーナの観客席で打ち砕かれた。

ハ牧師の言葉は実にキリストの愛から出たものであり、放蕩息子の父の思いだった。

昨夏、アメリカ・オバマ大統領が広島の原爆ドームと被災地を訪問した。

忌まわしきドームの前で大統領は被爆者の男性を抱きしめた。

原爆を落とした国と、被爆の国に謝罪に関するやりとりは無かった。

70年間前の出来事を互いに思い合い、新しい未来を築くことに言葉は要らなかった。

過去に遡って言葉で完全回復すること以上に、心をつなぐことで何かが動く。

人間は言葉以上に、心を伝える方法をもっている。

犯した罪やもたらした苦しみは、戻らず変えられない。

言葉を千個並べるより、一つの行動が相手の心に触れることだってある。

片目で過去を見ながら、もう一方の目で未来を見ても築けない。

だが、勇気をもって未来を見つめるところに必ず平和が来る。

勇気とは愛であり、自分を乗り越える力と強さだ。

『いつまでも残るものは信仰と希望と愛です。その中で一番優れているものはアガペー(無償の愛)です』第一コリント13勝3節。

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